釣りの目的の第一は、もちろん魚を釣ること。当然ロケーションは魚が多く釣れる場所を目指すことになります。けれど行き先の選択肢に"美しい景色"という要素を加えてみたらどうでしょう。釣りという文化・スポーツの魅力が、決して魚を釣ることだけにあるわけではないと気づくチャンスになるかも知れません。
その土地の豊かな自然に触れ、釣り糸を垂らしながら景色を眺める。もし恋人や友人と一緒に訪れたなら、魚を待つ時間にはお互いをより深く知るための会話を楽しむこともできます。散歩をしたり、コーヒーを飲んだりしながら、釣りを知らない入門者だからこそ発見できる新しいフィッシング・スタイルがあるのです。
恵まれた水環境と豊かな魚種を誇るこの国で形成されてきた釣り文化は、非常に成熟しています。だからこそ、釣りをはじめたいエントリーユーザーのなかには、つい身構えてしまう人もいるのです。釣り人を定める資格はありません。素人が気軽に手を出せるような雰囲気ではなく、自分たちのライフスタイルとの間にギャップを感じてしまう気持ちもよく分かります。ただし、釣りはこどもから老人まで誰しも開かれた文化であり、スポーツです。
もっと気軽に釣りに取り組める心構えを持つことは、これまでの釣り文化の慣習やルールに背を向けるわけではありません。継承されてきたマナーを守り、釣り人に敬意を払った上で、自分らしく釣りをライフスタイルに取り入れていきましょう。そのアイデアだって多種多様にあるはずなのです。